モスクワとサンクトペテルブルクの中間にある小さな宿場町、トルジョークのポジャルスキー家が経営していた宿屋やレストランで出されたカツレツです。このカツレツは文化人やロシア皇帝にも愛されたロシア料理で、ロシアの国民的詩人プーシキンは友人への手紙でトルジョークに立ち寄る時はこの料理を食べるよう勧め、皇帝ニコライ1世もこの料理を家族に食べさせたいがためにトルジョークから料理人を宮廷に招いたと言われています。
ポジャルスキーカツレツについて、様々なレシピがありますがミンチにした鶏むね肉に、牛乳で浸して柔らかくしたパン、バター、塩、こしょうを入れ混ぜハンバーグのように丸め、クルトンをまぶして焼きます。
先日、とあるウェブサイトででこのポジャルスキーカツレツの「伝統的なレシピ」を見つけて、材料が日本のスーパーで簡単に手に入るようなものばかりだったので、自分で作ってみました。
さすがに「伝統的な」レシピとあって、自分で鶏むね肉をミンチにしたり少々手間がかかりましたが、お肉はふんわり、クルトンはカリカリでなかなか美味しいカツレツでした。
国民的詩人プーシキンは、妻をめぐる問題に決着をつけようとフランスの将校ダンテスに決闘を挑みますが、その決闘の前に立ち寄って、レモネードを飲んだといわれるクラブの跡地にロシア料理の老舗レストラン「文学カフェ」があります。
ポジャルスキーカツレツはこのレストランの名物料理の一つとなっています。