宮沢賢治もかつて乗車して、かれの代表作「銀河鉄道の夜」の着想を得たといわれる日本統治時代の鉄道が終焉を迎える。サハリンでは日本の線路幅の狭軌(1067ミリ)からロシア規格の広軌(1520ミリ)への全面改修がかれこれ15年続き今年の10月中旬に完成予定である。日露戦争で勝利した日本は北緯50度線以南の樺太を譲与された。その当時、日本は本土と同じ狭軌で鉄道網を整備。総距離は700キロに及んだ。終戦後、旧ソ連は日本の線路や機関車を使い続け、ロシアになっても相変わらずサハリンの鉄道は狭軌のままであった。線路や橋などの老朽化が進み、ロシア国鉄は2003年から改修工事をはじめ、ようやく完成の予定。現在でも日本のD51形蒸気機関車はサハリンのユジノサハリンスクの駅前広場に保存展示されている。