ハスキーパーク 休憩中のかわいいハスキー犬

皆様お元気ですか?

今回も引き続き、ムルマンスク旅行の後半です。

すでにオーロラハンティングに成功したので、ちょっと時間と心の余裕を持って観光を続けられることになりました。実は、翌日の空は少し雲が多かったらしく、名人ガイドさんも少し苦戦したということでした。15組ほどのツアーが出たようなのですが、その中でも3組のツアーしかオーロラを捕まえることができなかったそうです。私達がお願いしたガイドさんはもちろんハンティング成功したとのこと!ガイドさんによっても運命が分かれるんですね!

 

バレンツ海沿岸の絶景 テリベルカ村

テリベルカへと続く、美しくも厳しい道のり

テリベルカまでの道のりは雪煙でとても危険

ムルマンスクの中心からテリベルカ村までは約130Km、車で2時間半の道のりです。前日のオーロラハンティングに向かう道も真っ暗で危険だったのですが、ガイドさんによると「テリベルカまでの道の方がもっと危ないですよ。明日見ればわかります。」とのこと。夜道より危ない道とは…?それはこんな感じです。

伝わるでしょうか?完全に、雪というより氷に覆われた道の表面を乾いた雪風が滑っていきます。とっても幻想的なんですが、時々境目が分からなくなるんです。でも、左右を見渡すと一面の雪野原に太陽の光が射す絶景!これは必見の価値ありです。写真でもキレイですが、実際に見るともっと美しくて感動的ですよ!

一面の銀世界は必見!

ちなみにちょっとびっくりしたんですが、出発してから確か1時間近く走った辺りでガイドさんが電光掲示板を見て、「ウラー!(やった!)今日は道路が開いてる!」と言ったのです。実は、ムルマンスク中心からテリベルカまでの道路は天候が崩れると封鎖されてしまうんですが、来てみないとハッキリわからないとは…。こんなに走って来ても道路が封鎖されて行けないこともあるんだと、自然の厳しさを思い知りました。ちなみに、この翌日は天気が崩れ、道路封鎖によりテリベルカから出られなかった観光客はフライトの変更を余儀なくされたそうです。

テリベルカ村に到着!

テリベルカの看板

テリベルカに着いた!と、喜んだのもつかの間、今まで体験したことのない寒さに一瞬不安がよぎりました。でも観光地だし大丈夫だろうと思って元気に出発。

まずは観光する前にトイレ休憩。ガイドさんについて行くと、いつもはトイレを貸してくれるレストランで断られる事態が発生。その時、ここには公衆トイレがないんだ…という事実に気が付きました。

そして、ガイドさんが探しに探した結果、小さなビールカフェにたどり着き、トイレを皆で借りることに成功。幸いとってもきれいなトイレで一安心。ガイドさんはお持ち帰りのビールを購入して交渉したようでした。ロシアによくある、観光地なのに観光地らしからぬ設備に直面。でも、その商売っ気の無いところがロシアの面白いところでもあるのです。

トイレを貸してくれた親切なカフェ

せっかくの美しい自然を思い切り楽しむために、ちょっと大げさなくらいの防寒具を用意していく位でちょうどいいと思います。一番の必要性を感じたアイテムは、タッチパネル対応手袋!これが無かったために、シャッターチャンスを相当逃しました。写真のために手袋を外すと、その後10分位指先の痛みと戦うことになってしまうのです。最後の方はほとんど写真を撮る気力がありませんでした…。

ちなみに、この日はプロのガイドさんですら驚きの寒さだったことを後に知りました。

雪の粒が吹き荒れる幻想的なテリベルカの海岸

帰る頃には海岸に雪が吹き荒れてきて、乾いた雪が砂浜(雪浜?)の上をさらさらと滑り、まるで砂丘にいるような感覚になりました。それはそれは幻想的でとても美しくて、最後の気力を振り絞り、手袋をはずしてスマホを構えた瞬間、スマホが力尽きてしまいその絶景は撮れませんでした。是非現地でご確認ください…。

 

スノーモービルのソリでドラゴンの海岸へ

次は、変わった海岸があるということで行ってきました。「ドラゴンの卵?」がたくさんある海岸だそうで、面白そう!!駐車場から歩いて15分位なんですが、私達はスノーモービルのトナカイソリでビューンと連れて行ってもらうことにしました。

スノーモービルの準備ができるまでの間、車内でお昼ごはん。ガイドさんがサンドイッチと温かいジンジャーティーを用意してくれていました。レストランで昼食をとるツアーも多いのですが、スムーズに観光するためにこの方法をとっているそうです。ジンジャーティーが冷えた体を温めてくれます。

ちなみに、この日はレストランで昼食の提供がストップしたらしく、レストランで昼食を予定していたツアーのお客さんは昼食抜きだったとか…。こういうトラブルも見据えたガイドさんの心遣いに感謝!

ドラゴンの卵がいっぱいの海岸

ソリを降りて崖を少し下っていくと、大きなドラゴンの卵がゴロゴロ転がっている海岸に到着!色々な形と大きさの丸い岩の上は危険なので、気をつけながら海の方へ行ってみました。砂糖がけしたような凍った岩がとってもキレイに光って、素晴らしい絶景!是非現地で見ていただきたいです。

自然が創る幻想的な風景に感激

ずっと見ていたいけど、海から吹き付ける風が信じられないくらい冷たく、凍える前に退散することにしました。写真を撮りたいスポットがいっぱいなのに、寒さでスマホの電源が落ちてしまいました。でも、ガイドさんが記念写真を撮って送ってくれました。

 

船の墓場

ほとんど雪に埋まっている船

17世紀前半に村が開拓され、漁業中心に活躍したテリベルカ村。その後1960年代には漁業の中心はムルマンスクに移り、テリベルカの港は衰退していきました。そして、ここには使われなくなった船が放置され、今では船の墓場として観光地化しています。雪で覆われていてわかりにくくなっていますが、上の写真の観光客が歩いている場所も船の上なんです。時々ポッカリと穴があいているので気をつけてくださいね。

ここは、2014年に公開された映画、『裁かれるは善人のみ』のロケ地として使われたことで知られています。雪で覆われていたので全貌は見ることができませんでしたが、また夏に来たら海岸に打ち寄せられて錆びついた船の姿がありのままに見えて、ガラッと違う雰囲気が楽しめると思います。

放置されて横たわる船の残骸

 

可愛いハスキー犬に会いに行こう!

お仕事の合間の休憩中

ムルマンスク近郊には、ハスキー犬に会える「ハスキーパーク」がいくつもあります。ガイドさんオススメのハスキーパークはムルマンスク中心から車で40分くらいの場所でした。

日本でも一世を風靡したハスキー犬。色々なハスキー犬が集まっていると、本当に可愛い!毛の色も目の色もそれぞれ個性があって、見ていて飽きません。

どれがメスでどれがオスなんだろう?

パーク内ではハスキー犬はもちろん、トナカイにも会えます。トナカイはとっても顔が優しくて、思ったより角が細くて繊細な感じ。実はメスにも角が生えるって知っていましたか?この長い角で雪を掘って餌を探すために、冬に子育てをするメスにも角が生えるそうです!

ハスキー犬の犬ゾリ

こちらはハスキーパークで大人気の犬ゾリ体験。ハスキー達の性格もご機嫌もまちまちで、「息がピッタリ!」とはいきませんが、そこがまた愛されポイントの自由きままなハスキー達。途中でトイレタイムに入るハスキー、よそ見して絡まっちゃうハスキーなど、見ているだけで癒やされます。何より、ハスキーの先頭で指示を飛ばしながらいちばん頑張って走るのは人間のお兄さん!っていうところも面白ポイントで、色々な意味で楽しめるのでやっぱりオススメです!

 

まとめ

いかがでしたか?ムルマンスクは、オーロラだけじゃない!ということが分かっていただけたかと思います。

期待値を遥かに超えてきた今回の旅行は大満足のうちに終了しました。ロシアの旅行に良くあることなのですが、全てにおいて「いたれりつくせりの観光地」というわけでは無いのですが、そのローカル感がたまらなく心に残るんです。是非、行く先々で出会う小さなアクシデントを楽しんでください。

ムルマンスク旅行で出会える自然の美しさは、一生のうちに一度見ておく価値があります。真冬の北極圏の寒さにも是非チャレンジしてみてくださいね!