音楽と楽器の歴史に触れて、ますます謎と興味が深まったところで、後編では古いのに斬新で不思議な楽器をご紹介していきます。
見れば見るほど複雑な楽器もあり、現在残っている楽器は色々な過程を経て、必要な部分は残し、演奏しやすくシンプルな形になっていることがよく分かります。

それでは魅惑の楽器の世界、後編へご案内します!

 

鍵盤楽器

モスクワではオーケストラとピアノソリストの素敵なコンサートが頻繁に開催されています。
クオリティの高いコンサートがお手頃価格で鑑賞できるのは、モスクワの良いところです。
館内には色々なタイプのピアノが展示されていましたよ。

弦がむき出しで鍵盤の白と黒が逆になっている、すごく斬新な見た目です。

鍵盤が二段になっているピアノは、外観の模様や形も凝っていてとても素敵でした。

蝶や花が彩られ、木目が印象的でゴージャスなピアノ。どこから見ても美しい!

 

打楽器

物を叩いて音を出すという、とてもシンプルな打楽器。リズム感が命!というイメージがありますね。
叩く物の素材や大きさなどで色々な音が出せますが、鋭い感覚や技術が必要なんでしょうね。
オーケストラでも、色々な大きさの『マレット』というバチを使い分けて奏でるティンパニのダイナミックな演奏につい惹かれてしまいます。

歴史を感じるこの打楽器には、その時代を想像させる絵が描いてあります。

巨大なドラムセット。演奏するところを見てみたいですね。

 

不思議な楽器

とにかく頭の中が『???』でいっぱいになってしまう楽器の多いこと!
歴史や音色を自分で調べてみると、とても面白いです。
どうしても気になった楽器はしっかり写真かメモに残しておくことをオススメします。

アルタイ共和国の『ハープ』。船のような形ですね。

ロシアの伝統的な弦楽器 『鍵盤グスリ』。鍵盤を弾くだけでは音が出ないんですよ。

これもれっきとした楽器、『口琴(こうきん)』です。口にくわえて端を指で弾きます。

19世紀の『リラ』。ショルダーベルトやレバーがついていて、不思議なフォルム。興味をそそります。

革や木のバチで弦を叩いて音を出す『ツィンバロム』。何とも言えないノスタルジックな音色です。

ピアノの中に機械が組み込まれ、自動演奏ができる『ピアノラ』。演奏曲のロールシートを差し込み、足でペダルを操作して奏でます。

とてもゴージャスなケースに入った『カリオペディスク・オルゴール』。

張り巡らされた弦が美しい蓄音機。クラシックのレコードを聴いてみたい!

 

エクスカーション

一般にはオーディオガイドをレンタルできるサービスがありますが、学校の課外授業や団体のツアーなどでは、ガイドさんが主要な楽器の説明をしているようです。
今回も楽しそうな様子につられて戻ってみると、エクスカーションが始まっていました。
実際に楽器を弾き始めたので、自分のオーディオガイドがよく聞こえませんでしたが、それならエクスカーションの演奏を楽しめば良い。
そんな雑な感じもロシアならではで可愛いです。

オーディオガイドじゃない音が聞こえると思ったら、エクスカーションの子供達がみんなで楽器を弾いていました。楽しそう!

スプーン型の楽器 『ローシキ』や、日本の『こきりこささら』に似た『トレショートカ』を体験していました。

 

2回にわたってお送りしましたが、いかがでしたでしょうか。

とにかくボリューム満点で、楽器を弾く方もそうでない方も楽しめる博物館だと思います。
こんなに多くの楽器が一度に見学できる博物館はとても貴重ですよね。
全ての音色を試聴できるわけではないので、帰ってから自分でもっと調べたくなる、そんな博物館です。

グリンカ中央音楽博物館を見学して、その足でチャイコフスキー記念コンサートホールでコンサートを鑑賞しても良いですね。
1日音楽の日なんて素敵です。是非、不思議な音楽の世界を実際に体験してみてください。