皆様、大変ご無沙汰してしまいましたが、いかがお過ごしでしょうか?

昨年からの世界的なコロナウイルスの影響で、大変な思いをされた方も多いと思います。生活様式の変化に順応するのが難しいこともありますが、この非常事態をなんとか乗り切り、そしてできるだけ早く終息することを願うばかりですね。

というわけで、久しぶりのモスクワ便りのテーマは「モスクワの最新コロナ情報」です。日本でもロシアのニュースを目にすることがあると思いますが、細かい日常の変化までは伝わっていないと思いますので、より生活に密着した情報をお伝えしたいと思います!

 

ロシアのマスク事情

地下鉄内 ミュージカルの広告もマスク着用

ロシア人もマスクをする?

マスクの罰金制度ができてからの地下鉄内

地下鉄内 マスクの正しい付け方の広告

現在モスクワの一日の新たな感染者は2000名前後を推移しています。年末のピークに比べるとかなり減少して、1月末から23時以降もレストランやバーなどが営業できるようになりました。

第一波の時には、なかなか、というか全然定着しなかったマスクの着用。日本では以前から習慣になっているマスクですが、ロシア人にとってはかなり受け入れるのが難しかったようです。コロナ以前は、マスクをしている人はほぼ皆無でした。インフルエンザの季節だろうが、風邪をひいていようが、咳やくしゃみが出ようがマスクはしません。『マスクをしているのはひどい病気の人』と思われてしまうので、安易にできないということもあります。ロックダウンが明けた後も、地下鉄ではマスクをしている人の割合の方が明らかに少なかったです。

しかし嬉しいことに、現在はかなり定着してきました!地下鉄のマスク未着用が罰金対象になったのも大きかったようです。さすがのロシア人も罰金には弱いようですね…。(もちろん、最初からきちんと着用していた人もいますよ!)それに、ショッピングセンターやスーパーも、入り口でチェックしているガードマンがいて、マスクをしていないと入れてもらえません。

どんなマスクが人気?

ショッピングモール入り口 マスクと手袋の自動販売機

ショッピングモール入り口 マスクと手袋の自動販売機

マスク専門店 色々な柄のマスクも登場

基本的には使い捨てのマスクが主流で、ショッピングセンターの入り口には自動販売機があったり、特設のマスク専門店もあり、様々な絵柄、色、素材のマスクも増えてきています。モスクワではユニクロのマスクも人気があるようです。また、大学のマークが入ったマスクというのもあるので、ステータスとして自分の大学のマスクをつけている学生もいますね。

 

学校や仕事

ロシアはインターネット社会なので、ロックダウンと共にかなりスピーディーにオンラインでの授業や仕事に切り替わりました。昨年末はオンラインでの授業を受けるのが困難な小学生を除いて、中学、高校、大学はオンラインで授業を受けていました。小学校もクラスでコロナに感染した生徒が出たらその都度学級閉鎖をして検査を行うなど、学校ごとに対応していたようです。今年に入り、大学は1月11日からオンライン授業、そして、小、中、高校は一週間休みを延長して18日から登校しての授業が始まりました。

仕事の方は、基本的に在宅ワークに移行されているので、オフィスには必要時にごく数人ずつ出勤するというスタイルが多いようです。また、出勤を指示されても、持病(アレルギーや呼吸疾患など)の診断書を提出すれば、在宅ワークが許可されます。筆者が知っている中では、既に3月末まで在宅ワークが指示されている日系企業もあります。1月末の市長令により、オフィス内を30%の人数に減らすのは「推奨」になったので、出社する頻度が増える会社員の方々もいるようです。

 

様変わりした地下鉄

地下鉄の色々な対策

地下鉄内 ソーシャルディスタンスを促すマーク

地下鉄ホーム ソーシャルディスタンスを促すマーク

外出を控えるといっても、もちろん仕事や用事で出かけなければならないこともありますし、現在はレストランや劇場、映画館などもほぼ通常営業しているので、地下鉄は通常通りといった感じです。何が変わったかといえば、やはり地下鉄が1番わかりやすく変貌したのでは無いかと思います。

ホームには線がひかれ、1.5mの間隔を保つように表示されています。そして、車両にも色々な表示があります。例えば、「赤い注意書きがある席には座らないようにして、1席おきに座りましょう」というメッセージです。まあ物理的には座れるので、もちろんルールは守られてはいないのですが、「できるだけそういう気持ちで・・・」という感じでしょうか。自分はルールを守っていてもマスクをしていない人に隣に座られてしまうこともあるので、その場合は自分が席を立つしか方法はありません。その辺のアバウトな感じにロシアらしさが垣間見えますね。

地下鉄の新車両

車両移動が可能な新型車両

またコロナとは関係なく、この数年で地下鉄の車両はかなり新しくなりました。新しい車両で大きく変わったのは次のとおりです。

①走行中の騒音がかなり抑えられたこと(旧車両:隣の友達との会話も困難な車両あり)

②扉が閉まるタイミングをランプで教えてくれること(旧車両:突然閉まるので時々挟まれるし、ギロチンのようなスピードなのですごく痛い)

③車内でスマホの充電ができること(旧車両:もちろん充電器無し)

④車両内移動が可能なこと(旧車両:車両内移動は物理的に無理)

この④の車両内移動ができるということは、個人的にはコロナ禍において、かなり重要だと思っています。古い車両の時は、一度乗ったら次の駅まで隣の車両に移動できませんでした。しかし新車両では、車両ごとの小さい空間では密閉されませんし、乗った車両が混み合っていたら、空いている車両まで移動したり、マスクをしていない人達、団体で話している人達などから離れるということもできます。このように、意識してソーシャルディスタンスを保つことができるのは利点ですね。

駅構内の手指消毒マシーン

地下鉄駅構内 手指消毒ディスペンサー

地下鉄駅構内 手指消毒ディスペンサー

地下鉄駅構内 手指消毒ディスペンサー

コロナが急激に増加した3月後半あたりから、手指消毒液が全く手に入らない時期がしばらく続きました。どのタイミングで入荷されるかわからないので、毎日近所のスーパーを必ずチェックして、運良く出会えた時は少々高くても購入していました。今ではマスク同様、消毒関連商品もしっかり流通しているので問題はありません。

そしてとても助かるのが、駅の手指消毒ディスペンサー。駅構内のいたるところに設置されているので、いつでも消毒ができます。電動なので、押したり触ったりしなくてもいいんです。色々なタイプがあり、それぞれ使い心地や香りが違います。大きいショッピングモールなどにも設置されていますが、スーパーや薬局、カフェなどの小さいお店には、ポンプ式の消毒液が置いてあることが多いですね。自分でも消毒液を携帯していますが、いつでも消毒できる安心感があります。

 

まとめ

モスクワのコロナ対策、いかがだったでしょうか?

地下鉄が思ったよりキレイだったり、広告にもユーモアがあったりと、イメージが変わった方もいるかもしれませんね。

今回は、かなり生活に密着した場面での変化を中心にご紹介しましたが、次回はコロナ禍での美術館や劇場、映画館の楽しみ方などもご紹介していきたいと思います。

それではまた次回まで、くれぐれも身体にお気をつけてお過ごしくださいね!