先日ご紹介した『宇宙航空学センター』とは別の施設ですが、同じ地下鉄ВДНХ(ヴェーデーエヌハー)駅のすぐ近くにあるこの博物館。

流線型の外観が印象的なこの博物館では、1961年4月12日に宇宙に旅立ったユーリー・ガガーリンに関わる貴重な展示を始め、宇宙に関する様々な資料を見学することができます。ガガーリンの宇宙飛行を記念して祝われる4月は、特にロシアの子供達が学校の社会見学で訪れていてとても賑わっています。

午後から人が多くなってくるので、じっくり見学したり写真を撮ったりするには、朝1番がオススメですよ!

 

博物館周辺広場と外観

時間に余裕があれば、博物館見学の前後に奥の広場を散歩してみるのがオススメです。

緑の多い広場からは、流線型に伸びたロケットのモニュメントが色々な角度から見ることができ、ガガーリンを始め宇宙開発に貢献した人物の銅像が並んでいます。皆さん写真を撮ったり、ベンチでのんびりしたりして過ごしていましたよ。

広場にあるユーリー・ガガーリンの銅像。ロシアの国旗をモチーフにしたお花が飾られていました。

今にも飛び出しそうなロケットが青空に映えてとても美しいモニュメント。その前で宇宙を見つめている銅像は、ロケット研究の先駆者コンスタンチン・ツィオルコフスキーです。

 

入口から館内全体

館内の中央部分は広々と開けていて、奥には巨大な宇宙飛行士像が立っています。とても迫力があって印象的です。このスペースにはガガーリンや宇宙犬についての展示が多くありますよ。

かなり空間を贅沢に使っている感じですが、実はこの奥にまだまだ展示スペースがあって相当なボリュームがある博物館なんです。

巨大宇宙飛行士像は、かなりの大きさで圧倒されます。写真を撮る人が多すぎて、人物無しで写真を撮るのは至難の業でした。

社会見学中の子供達も記念撮影。これを見ると像の大きさが分かりますね。

入口の手前にあるインフォメーションのタッチパネル。日本の国旗と「こんにちは」の文字もありました。(日本語ガイドがあるわけではありません)

 

1階 手前展示スペース

巨大宇宙飛行士像がある展示スペースには、人工衛星スプートニクなど、様々な模型が展示されています。宇宙船はフォルムも美しく、全体像も見ることができるので勉強になりますね。

1958年5月15日に打ち上げられた人工衛星スプートニク3号の模型。

1965年に2人の宇宙飛行士を乗せて打ち上げられた、有人宇宙船ボスホート2号の模型。

 

1階 右奥小展示スペース

この小展示スペースには、コンスタンチン・ツィオルコフスキーの偉業をたたえる展示に加え、宇宙開発の先駆者達によって開発されたロケットエンジンが展示されています。コンスタンチン・ツィオルコフスキーは、広場のモニュメント前に銅像もありますので是非見学してみてくださいね。

GIRD-Xは、セルゲイ・コロリョフの監督の元開発された、ロケットエンジン10を搭載した初めての液体燃料ロケットです。

RDー214は、AKー271の混合物とTMー185をガス発生器サイクルで燃焼する液体ロケットエンジンです。

 

宇宙犬

1957年11月3日にスプートニク2号に乗った宇宙犬ライカは、初めから生還させる計画では無く、宇宙船の中で亡くなってしまいましたが、1960年8月19日にスプートニク5号に乗ったベルカとストレルカは、1日宇宙で過ごし無事に帰還しました。

社会的には賛否両論あった宇宙犬の宇宙飛行実験ですが、宇宙研究に大きな役割を果たしてくれました。改めて忘れてはいけないと思いました。

宇宙飛行から帰還した宇宙犬ストレルカの剥製。写真や宇宙飛行船などの展示も色々ありましたよ。

宇宙船と宇宙船に乗ったベルカとストレルカの様子を詳しく表した図が展示してありました。

 

宇宙服

この博物館には色々な宇宙服が展示されています。宇宙船内でトレーニングに使用する軽量なものから、宇宙船外の活動に使用する重量20kgクラスの物まであってとても興味深いですよ。1人では装着できない宇宙服は、装着して作業するのも訓練が要りそうですね。

宇宙服ヤストレブ(ロシア語で鷹)は、ソユーズ4号と5号で使用された宇宙服で、船外活動に使用されました。

ズベズダ社が開発した宇宙服。船外を自由に移動するための手段として開発されました。

 

まとめ

いかがでしたか?

ここまで、ガガーリンや宇宙犬など興味深い展示が多かったですね。色々調べ直してみると、聞いたことがある程度で、よく知らなかった歴史もあって改めて興味が持てますよ。

後半は、奥の大展示スペースをご案内します。宇宙食の試食もしてみましたので、そちらもお楽しみに!