毎年ウラジオストクでは、9月の最終日曜日に≪トラの日день Тигра≫が開催されます。

これはウラジオストクのある沿海州地方にかつては支配者として君臨していたアムールトラの保護を訴えるフェスティバルです。
今年2019年は、9月29日に行われました。
現在はその数を500頭程度までに減らしているアムールトラは、絶滅が危惧されています。
トラの個体数が減少した要因の一つには、狩猟や人(車)との接触があり、多くの人々にこうした問題に関心を持ってもらうことが解決の糸口となります。

 

ウラジオストクの中央広場には朝から特設ステージや出店が立ち並び、多くのウラジオっ子で賑わいをみせます。

フェスティバルが最高潮に達するのは、お昼12:00~13:00の間に行われるパレード。
WWFなどの環境保護団体や極東連邦大学、小学校などの各団体がトラの模様にペイントされた何台もの4WDに引き連れられて、スローガンを叫びながらポクロフスキー通りを行進していきます。
小さい子供は父親に肩車をされて。
大人はパレード進路を遮る様にて写真をとって係員に怒られて。
中には地下通路への入り口にある縁石の上に立ち上がって。
観客は思い思いの場所から、思い思いの方法で見物します。

中央広場のコンクリート地面の上には、子供たちがチョークで描いたメッセージやトラの絵が広がります。

この日は大人も子供もトラのフェイスペインティングをして楽しみます。
地下通路内や広場の一角にはペインティグをしてくれるスペースが出き、賑わっています。

フェスティバルに併せて、中央広場には屋台が立ち並びます。
パン、ピロシキ、ドリンク、わたあめ、そしてなぜか韓国の辛ラーメン。
韓国の方々にとってロシアは、訪問の際にビザが不要ということもあり、気軽な旅行先として人気を博しています。

パレードが終わりを迎えると、今度は特設ステージでコンサートが始まります。
老若男女、多くの人々がノリノリでコンサートを楽しみます。

こうして夜までつづくフェスティバルは、22:00過ぎに花火の打ち上げをもって幕を下ろします。

アムールトラが生息しているタイガの森では、今も違法伐採が行われていると言われています。

そうした違法伐採で生産された木材は、私たちの身近なところで使われているかもしれません。

9月の最終日曜日にウラジオストクを訪れる際には、『パレード』や『コンサート』といった表側の華やかな部分だけではなく、その裏側に隠された部分にもぜひ目を向けてみてください。