クレムリンの治安を守るロシアの連邦警護庁(FSO)は、治安部隊を強化するために独自の新兵を招集しました。
FSOといえば大統領の警護などを担う組織です。一体どんな強者が呼ばれたのだろうと思いきや、招集されたのは白くてふんわりしたシロフクロウでした。

シロフクロウの名前は「ブラン」。こんなかわいらしいフクロウが、クレムリンを狙う敵手に対してどう立ち向かうのでしょうか?
ブランに与えられた任務は、「餌として行動すること」です。
餌?? 気づいた方もいるかと思いますが、敵は人間ではありません。
そうです、敵はクレムリン周辺に住み着く大量のカラスのことです。

カラスは、クレムリンの目印であるスパスカヤ塔の尖塔や広場を糞で汚したり、他の鳥達の巣を襲ったり、また観光客の頭を蹴ったりすることあり、クレムリンは長い間カラスの被害に悩まされてきました。

それでは一体、ブランを使ってどのようにカラスを撃退するのでしょう。
ブランはモスクワを含むロシア中部には生息しておらず、その白くて弱そうな見た目はカラスにとって格好の標的になりうると想定され、ブランをおとりにカラスをおびき寄せ、ブランの同僚である6羽の猛禽類チームにカラスを撃退させる、という作戦です。

ブランの同僚には、タカのアスター、ハヤブサのゼウス、セーカーハヤブサのヘクター、ワシミミズクのフィリアなどの6羽がおり、各メンバーは、クレムリンを守るためにFSOの職員から特別な訓練を受けています。
FSOの職員によると、これらのメンバーは体調や現在の気分に応じて交代制で働いているということです。