ロシア正教、というと、皆さんは何を想像されますか?
一番初めに思い浮かぶのは、葱坊主の形をした、印象的なドーム(ロシア語でクーポル)ですね。ロシアのどこまでも続く野原と、広く大きな青空に輝く、どこか素朴な教会建築は、ロシアという国の歩んだ歴史や、その生み出した文化、精神性を象徴するような風景です。
もう一つ、正教文化を特徴づけるものに、イコン(聖像)があります。イコンは、西欧美術における聖画と異なり、古代より伝えられる一定の形式にのっとり、精神修道を経た者だけが描くことを許されるものとされています。ロシアの田舎町で、小さな聖堂の中に捧げられた、無数のろうそくの灯明が照らし出すイコンもまた、ロシア人の心の風景を表しているといえるかもしれません。
さらに、正教の教会で、とても印象深いのが、教会の鐘の音色です。大小多くの、何種類もの鐘が、人間の手足によってリズミカルに、あるときは華やかに、あるときは静かに打ち鳴らされ、その音色が、町や村の遠くまで響き伝わっていく様子に耳を傾けるのは、ロシアの旅ならではの醍醐味のひとつです。
そんなわけで、今日は、サンクトペテルブルクの都で最大の教会、聖イサーク寺院の鐘の音をご紹介したいと思います(動画 約1分)。
撮影したのは、抜けるような青空の夏の盛り、寺院の絶景を誇るアストリア・ホテルの前です。
再び旅に出ることのできる日が、もうすぐ来ますように!