ロシアの伝統的なお祭り「マースレ二ッツァ」
マースレ二ッツァは、古くから続く伝統のお祭り。
「マースレ二ッツァ」はロシア語のバター(マースラ)が語源です。
バターをたっぷり使ったブリヌィをお腹いっぱい食べて、歌って踊って、
嫌なことや悪いことをかかしに託して焼いて、春を迎えましょう!というお祭りです。
これはキリスト教の復活祭を基準にして毎年時期が変わります。
復活祭前の40日間は肉、魚、お酒などを控えることが良いとされており、
その前一週間は食べ物に感謝して食べ納めをする期間になりました。
その習慣と、冬とお別れして春を迎える行事が結びついて現在の様なお祭りになったそうです。
今年は2月12日から18日まで。特に18日は最終日。最後にかかしを燃やすので一番盛り上がります。
ですから人の多さは覚悟の上、もちろん最終日に行ってきました。
それでは、春を心待ちにしているロシアの人々の様子をお伝えしましょう!!
トレチャコフ駅前近くの広場に行ってみました。
トレチャコフ美術館の最寄駅、トレチャコフスカヤ駅前には小さい広場があります。
モスクワでイベントがある時には、そこも小さなイベント会場になって、小さいながらに素敵な展示や歌、そして
踊りのイベントなども開かれますので今回ものぞいてみました。
このお祭りにに欠かせない、「かかし」。これは冬を象徴しています。
マースレ二ッツァの最終日の夜にこのかかしを燃やします。そして、冬とお別れします。
今年、この広場には色々なかかしが展示されていました。
地方によって色々な形があるようです。なんだか、燃やすのはもったいないですね。
そして、かかしの上に飾られている短冊のようなカラフルな紙のリボン。
2年前に参加したマースレ二ッツァの会場では、皆にこれを1本ずつ配り、自分の罪や嫌な出来事をこのリボン
に託して一緒に焼いてしまいましょう!!、というイベントもやっていました。
とても都合のいいイベントですが、皆さん、我先にとリボンに群がっていました。
赤の広場に行ってみると・・・・
何といってもイベントの時は人が集まる赤の広場。スケート場も人でいっぱい。
世界各国のツーリストが必ず立ち寄る「グム百貨店」の前にもブリヌィ(ロシアのクレープ)やホットワイン
の屋台が出ていました。
そしてメイン会場!
お目当てのブリヌィを探しますが、なかなか見つからない。でも、食べている人たちがいます。
何度か行き来して、やっと発見。私がシャシリク(ロシアのバーベキュー)だと思っていた、巨大な鉄板。
これがブリヌィでした。
何度見ても煙がモクモクだったので、すっかり勘違いしてしまいました。なるほど、行列ができているわけです。
ここでは巨大なブリヌィを一枚焼いて、それを8等分にして売っていました。とても豪快!
焼き立てを受け取った3人組に声をかけてみました。
「それは、あの大きいブリヌィですよね?写真を撮らせてもらっていいですか?」
「もちろんいいわよ!今日はマースレ二ッツァよ!!」
と明るい笑顔を見せてくれました。(お一人は照れて隠れてしまいました。)
ブリヌィのお供は、リンゴジャム、八チミツ、チョコレート、そしてブリヌィには欠かせないロシアのサワー
クリーム、スメタナ。
そしてテーブルを見ると、ブリヌィ以外の果物やハムのオープンサンド、これは持参品。
節約しながらお祭りを楽しんでいました。これはロシア流。
私は後でリンゴジャムのブリヌィをいただきました。
大きな鉄板で焼いたブリヌィは、もちもちアツアツで至福の味でした。でも、寒空の下、あっという間に冷めて
しまうので、お早めに召し上がれ!!
革命広場のイベントも面白いですよ!
赤の広場とボリショイ劇場の間にある革命広場。
ここでは不思議なキャラクターを見ることができました。
色々話を聞いてみると、冬とお別れするとともに、心の中の悪魔祓いをするような意味合いもあるようですが、
日本で言うところの「なまはげ」でしょうか?子供を脅かして、泣かせてしまう会場もあるらしいのですが、
革命広場のなまはげさんは、とっても優しい!
一緒に肩を組んで写真を撮ってくれたり、私にもとびっきりの笑顔、というかポーズを見せてくれました。
ヤギの生首を持って・・・・・。
革命広場のかかしは馬ゾリに乗っていました。大きくてとても立派。
そして、クリケットを楽しむ子どもたちの姿も。昔の衣装を着たお姉さんが教えてくれます。
会場内では、子供たちの顔に奇麗なペイントをしてくれるサービスもあります。
きれいに描いてもらえるように、ちゃんとじっとしていてかわいいですね!
さて、マネージナヤ広場では何やら劇が始まっている様子。でも、遠くて全然見えません。
カメラを頭の遥か上に構えて撮ってみますがうまく行きません。すると、
「はいはいみんなー、ちょっと通してー!」と、劇の皆さんが広場を移動。私の近くにあった焚き火の
オブジェのところまでやって来ました。そして、そこで劇が再開。結果、一番前でみることに・・・・。
マトリョーシカのようなお姉さんとピエロのようなお兄さんがブリヌィを持ってマースレ二ッツァを
祝っていると熊のミーシャが登場!子どもたちを脅かしつつもミーシャは、
ミーシャ:「みんな!ブリヌィは好きかーい?」
子供たち:「ダー!(うん!)」
ミーシャ:「おいらも好きさ!ジャムをつけるかーい?」
子供たち:「ダー!(うん!)」
ミーシャ:「じゃあ、おいらもつけるぞ!」
と、子供たちの心をがっちり掴みます。子供は目をキラキラさせて劇に夢中。
途中、踊りのシーンでは、観客のおばあちゃんも前にでて踊っていました。
ロシア語が分からなくても、十分楽しめますね!
クリスマスとは飾り付けが変わったツリー。
春を迎えるお祭りですから、太陽のモチーフがデコレーションされていました。
とても賑やかなマースレ二ッツァ最終日。日曜日ということもあって、沢山の人で盛り上がっていました。
来年も楽しみです!