ハバロフスクから北東へ70キロ、専用車で約1時間半、アムール川沿いの小高い岸には先住民族ナナイ人の村シカチ・アリャン村があります。村の人口は約800人。近くの川岸には推定14000年前のものと思われる岩があり、岩画(ペトログリフ)があります。黒い岩には動物や鳥や人の顔その他の模様が刻み込まれ、呪術的な世界も垣間見れる様々な岩石画が150点以上あります。ナナイの伝説では太古の昔、大地は熱く、その熱さの為、石は溶け、神々が指で描いて楽しんでいました。そこに偉大な狩人が現れその熱さから大地を救いました。その結果ペトログリフ(神の絵)が残ったとのことです。ここには強大なエネルギーがあり太古の昔からシャーマン達が儀式を行ったハバロフスクのパワースポットとしても有名です。

ナナイ人
「ナナイ」という民族は伝統的には漁業を生業にしてきたツングース系の北方少数民族です。ナナイ族は、川からとれる魚を食料にするばかりではなく、魚の皮は靴や衣服をつくります。シャーマニズムを信仰し、小熊を一定期間飼育し、その霊を山の神のもとに返す『熊送り儀礼』を年に一回行います。シャーマニズムやクマ送りの儀礼、口琴など、アイヌ文化との共通点も多く見られます。