サンクトペテルブルク一番の宮殿

サンクトペテルブルクの宮殿についてのコメントを書いてきましたが、サンクトペテルブルク一番の宮殿は何といってもエルミタージュ美術館。現在は美術館になっていますが、かつては皇帝が冬を過ごす宮殿でした。
現在のエルミタージュ美術館は冬宮、小エルミタージュ、旧エルミタージュ、新エルミタージュの4つの建物から構成され、それにエルミタージュ劇場が付属する形になっています。
冬宮は文字通り宮殿で、皇帝が冬を過ごすための宮殿でした。もともとはピョートル大帝時代に一番初めの宮殿が建てられましたが、現在へとつながる建物の原型はエリザヴェータ女帝の時代に宮廷建築家・ラストレッリの設計により建築が始められ、1762年、エカテリーナ2世が即位した年に完成しました。
エカテリーナ2世はベルリンの商人から200点以上もの美術品を購入したのを皮切りに美術品の収集を続けました。そしてその美術品を保管・陳列するための建物を建設。それが現在の小エルミタージュ、そして旧エルミタージュです。
革命後に冬宮も含め、美術館として整備され、現在のエルミタージュ美術館が創設されました。
このように、現在のエルミタージュ美術館はその所蔵される美術品とともに、建物自体も大きな芸術品としてみる価値が充分あります。サンクトペテルブルクを訪れる人たちは必ず訪れる場所だと思いますが、そのような歴史も踏まえて見学されるとより一層貴重な体験となるでしょう。

大使の階段

エルミタージュ美術館内のロシア・バロックの粋「大使の階段」

サンクトペテルブルク特集